一戸建ての住宅で漏水が疑われる際、その原因を特定するための「漏水調査」は非常に重要です。しかし、調査方法にはいくつかの種類があり、それぞれ精度と費用が異なります。費用対効果を考慮し、適切な調査を選ぶことが賢明な解決への鍵となります。 最も基本的な調査は、水道メーターの確認や目視による簡易点検です。これは多くの業者で基本料金に含まれることが多く、費用は比較的安価です。 しかし、この方法で特定できるのは、目に見える範囲の明らかな漏水や、家全体の漏水の有無に限定されます。床下や壁の内部、地中などの隠れた箇所の漏水を発見することは困難です。 次に精度が高まるのは、「音聴調査」です。 特殊な音聴棒や探知機を用いて、配管から漏れ出す水の音を聞き分け、漏水箇所を絞り込んでいきます。費用は10,000円から30,000円程度が目安です。 この方法は、埋設された配管の漏水にも有効ですが、調査員の経験や周囲の環境音によって結果が左右されることがあります。 さらに高い精度を求める場合は、「トレーサーガス調査」や「管内カメラ調査」が選択肢となります。トレーサーガス調査は、配管に安全な特殊ガスを充填し、漏れ出たガスを検知器で探す方法で、費用は30,000円から50,000円程度です。[1][3] ガスの粒子が微細なため、コンクリートや土壌を透過して微量の漏水も検知できるのが特徴です。 管内カメラ調査は、配管内部にカメラを挿入して直接目視で確認するため、最も確実な方法ですが、費用は60,000円から100,000円と高額になります。 給水管だけでなく排水管の調査にも利用でき、複雑な配管構造の調査に適しています。 どの調査方法を選ぶかは、漏水の疑われる場所や状況、予算によって異なります。例えば、水道料金の急増があるものの、目に見える変化がない場合は、まず音聴調査から試すのが一般的です。しかし、すでに天井にシミが広がっているなど、より緊急性の高い状況では、最初から高精度な調査を検討すべきでしょう。費用対効果を最大化するためには、複数の業者から見積もりを取り、それぞれの調査方法とそれに伴う費用、そして特定できなかった場合の対応について詳しく説明を受けることが重要です。